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板倉 隆二
強光子場の化学, p.52 - 57, 2015/03
強レーザー場中分子の解離性イオン化は、光電子放出、分子イオン内部の電子励起など複数の素過程が複雑に絡み合い、多様な反応チャンネルを持つ。各チャンネルへの反応経路の詳細を明らかにするため、(1)光電子放出(イオン化)過程と(2)その後の分子内電子励起過程を分離して理解することが重要である。本解説では、光電子・光イオン同時計数計測法を使って、強レーザー場中における解離性イオン化反応経路を明らかにした最近の成果を紹介する。
飯島 北斗; 羽島 良一; 永井 良治; 峰原 英介; 山内 俊彦
Proceedings of 2nd Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 30th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.793 - 795, 2005/07
原研・光量子科学研究センター・FELグループはエネルギー回収型超伝導加速器(ERL)を用いた遠赤外超短パルス高出力FELの開発を進めてきた。この加速器から発振される波長約20mのチャープされたFELは、例えば多原子分子の解離などに応用した場合、現状の技術よりも飛躍的に高い解離効率が期待される。これまでの研究で、波長23.3m,パルス幅319fs(FWHM),チャープ量=14.3%のFEL発振に成功し、これを自己相関により測定した。現在はこのチャープされたFELの時間と周波数の相関を直接観測するために、frequency-resolved optical grating (FROG)による計測の準備を進めている。加えて、FEL光輸送系の構築も行った。
早川 滋雄*; 友澤 浩二*; 竹内 孝江*; 荒川 和夫; 森下 憲雄
Physical Chemistry Chemical Physics, 5(11), p.2386 - 2390, 2003/05
被引用回数:15 パーセンタイル:44.45(Chemistry, Physical)電荷逆転質量分析における負イオンは、正イオンとアルカリ金属との衝突により励起中性化を経て、自動解離後にさらにアルカリ金属からの電子移動により負イオンを生成する。異性体であるアセチレンとビニリデンクロライドから生成されるCHは、アルカリ金属(Na, K, Rb及びCs)の種類により、生成負イオンのスペクトルが異なることを見いだした。このスペクトルでは、両異性体からのCHは、アルカリ金属のイオン化電圧が低いほどCHに対してCイオンの強度の割合が大きく、さらにCとCHイオン生成量の比がHCCHとHC=C:で大きく異なることを見いだした。この結果の解析により、高励起中性種CHの内部エネルギーは、アルカリ金属種により異なり、内部エネルギーの違いにより解離反応が異なることを明らかにし、さらに高励起中性種を経ずに、CHとHに直接解離する反応が存在することを明らかにした。
高柳 敏幸; 和田 晃
Chemical Physics, 277(3), p.313 - 323, 2002/04
被引用回数:6 パーセンタイル:17.77(Chemistry, Physical)擬連続近似を使った3次元量子堅密結合法をHe+HHe+H+H衝突誘起解離反応に適用した。この研究の大きな目的は、反応の解離極限よりわずかに高いエネルギー領域で、共鳴を経由した2体衝突と共鳴を経由しない3体衝突のどちらが主体かを理論的に確かめることである。実際の計算は全角運動量がゼロの場合のみについて行ったが、われわれは、水素分子の回転量子数が小さい場合には、共鳴を経由しない3体衝突が支配的であり、共鳴を経由する2体衝突過程は、回転量子数が大きい場合のみに重要になることを見出した。さらに、衝突誘起解離が起こる確率は、主に水素分子の振動回転エネルギー準位と、解離極限のエネルギー差でほとんど決まることを見出した。このことは、衝突誘起解離過程は、簡単なエネルギー移動過程であることを意味するものである。並進運動を古典的に扱い、水素分子の振動回転運動を量子的に取り扱う半古典近似と今回の計算結果を比較したところ、解離確率の小さなエネルギー領域では、半古典論が全く機能しないことも確かめられた。
山内 俊彦
環境科学会誌, 14(6), p.567 - 575, 2001/12
ダイオキシンの赤外レーザーによる分解には、熱分解及び多光子解離がある。熱分解及び多光子解離では、入射波長の選択、つまり吸収係数の大きい波長にレーザーを合わせることが重要である。低パワー赤外レーザー光による分解では、ダイオキシンの直接吸収による熱分解が重要な役割を果たし、そのほかに大気中の水分子によるレーザー吸収と、それに伴う分解アシストのモデルを考案した。
土谷 邦彦; 兜森 俊樹*; 河村 弘
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.401 - 405, 2001/11
被引用回数:10 パーセンタイル:59.01(Nuclear Science & Technology)JMTRでは、核融合炉ブランケット構造を模擬した「部分モジュールインパイル照射試験」を計画している。本試験のためのトリチウム回収系には、取り扱いが容易でかつ常温付近でも良好なトリチウム回収性能を有するゲッタ材の開発が必要である。そこで、ZrNi合金に着目し、Niの一部をほかの元素で置換したゲッタ材を試作し、単体時及び充填時における特性評価を行った。単体時特性評価より、ZrNiCoFe組成のゲッタ材は室温時における水素平衡解離圧が金属ウランと同等の平衡解離圧(3.510Pa以下)になることを明らかにした。また、充填時特性評価により、ZrNiCoFeは、常温でも水素を十分吸収し、その破過帯長さは空塔速度に対して直線的に増加することを明らかにした。
高柳 敏幸; 和田 晃
Journal of Chemical Physics, 115(14), p.6385 - 6393, 2001/10
被引用回数:5 パーセンタイル:15.26(Chemistry, Physical)衝突誘起解離反応He()+HF()He()+H()+F()について3次元半古典理論を用いて、スピン軌道相互作用による励起状態の寄与について検討した。衝突動径座標を古典力学で取り扱い、HFの振動と回転は量子力学的に取り扱った。ポテンシャルエネルギー曲面は、Diatomics-in-Molecule (DIM)近似を使って計算した。その結果、生成するF原子のうち、約20%程度がスピン軌道励起状態に分布することを見いだした。この結果は解離過程が基底状態で起こるとする従来の理論に修正を迫るものである。さらに、電子的非断熱遷移はH原子とF原子が十分離れた位置で起こるため、異方性の効果は小さいことがわかった。
寺岡 有殿; 吉越 章隆
表面科学, 22(8), p.530 - 536, 2001/08
Si(001)面のパッシブ酸化に与えるO分子の並進運動エネルギーの影響を光電子分光法を用いて研究した。加熱ノズルを使用した超音波シードビーム法を用いて、O分子の並進運動エネルギーを最大3eVまで制御した。第一原理計算の結果に対応するふたつの並進運動エネルギー閾値(1.0eV,2.6eV)が見いだされた。代表的な並進運動エネルギーで測定されたSi-2p光電子スペクトルはO分子の直接的な解離吸着がダイマーとサブサーフェイスのバックボンドで起こることを示唆している。さらに、O原子の化学結合の違いもO-1s光電子スペクトル上で低結合エネルギー成分と高結合エネルギー成分として見いだされた。特に低結合エネルギー成分が並進運動エネルギーの増加とともに増加することが確認された。これもバックボンドの並進運動エネルギー誘起酸化を示唆している。
寺岡 有殿; 吉越 章隆
極薄シリコン酸化膜の形成・評価・信頼性第6回研究会報文集, p.259 - 264, 2001/00
Si(001)表面の初期酸化過程をO分子の並進運動エネルギーを利用して原子線レベルで制御し、また、軟X線放射光を用いてその場光電子分光法により表面分析することを試みた。本研究では超音速O分子線を用いてO分子を最大3eVまで加速できるために第一原理計算で理論的に予測されている解離吸着のエネルギー障壁を実験的に検証可能である。その結果理論値(0.8eV,2.4eV)にほぼ等しい並進運動エネルギー閾値(1.0eV,2.6eV)を実測した。この結果は並進運動エネルギーを選択することによって常温においてダイマーのバックボンドまで、さらには、サブサーフェイスのバックボンドまで直接解離吸着過程によって段階的にSi(001)表面を酸化できることを示している。さらに、放射光を用いてSi-2p光電子スペクトルを測定し、Si酸化数が並進運動エネルギーに依存することを見いだした。
早川 滋雄*; 原田 謙吾*; 渡辺 信明*; 荒川 和夫; 森下 憲雄
International Journal of Mass Spectrometry, 202(1-3), p.A1 - A7, 2000/10
被引用回数:16 パーセンタイル:60.07(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)励起種の解離は、化学反応で最も重要な過程の一つであり、これまで主として分子衝突法や光励起法によって調べられてきた。質量分析計は、気相における不安定な中間体を生成させるのに適しているため、種々の安定・不安定イオンの解離課程を研究することができる。しかし、この方法は、電荷を持たない中性種を研究することが難しい。そこで本研究ではCDOHとCHODの衝突誘起解離(CID)スペクトルと電荷逆転スペクトルを用いて中性種の解離課程の検討を試みた。CIDにおける主な解離課程は、メチル基からの水素原子の脱離であり、他方電荷逆転質量分析においては、ヒドロキシル基から水素原子の脱離を経ていることがわかった。ヒドロキシル基からの水素原子の脱離は、メタノールの光誘起解離における主な課程であることも報告されており、中性中間種の解離課程の研究に電荷逆転質量分析法が有用であることを証明している。
藤井 靖彦*; 赤塚 洋*; 野村 雅夫*; 鈴木 達也*; 佐分利 禎*; 徳浪 理恵*; 田中 拓
JNC TY9400 2000-009, 41 Pages, 2000/03
再処理プロセスにおける構造材のように、線照射下にある金属材料は電子に起因する化学作用が想定される。特に、硝酸溶液などの種々の分解生成物が生じ、金属材料に作用するおそれがある。このような分野の研究の手段として核燃料サイクル開発機構の大電流電子線加速器を用いた線環境下における材料腐食機構の解明および材料評価システムの構築を目指して研究を行う。本報告書では、その予備実験として東京工業大学のプラズマ実験装置を用いて金属材料の酸化現象について研究を行い、電子の影響について議論した。
高柳 敏幸; 黒崎 譲
Physical Chemistry Chemical Physics, 2(4), p.665 - 670, 2000/02
被引用回数:10 パーセンタイル:30.4(Chemistry, Physical)赤外励起によって引き起こされるファン・デル・ワールス分子の前期反応過程、H…HD+hH+Dについて反応性散乱理論を使った理論的研究を行った。正確な分子軌道計算をもとにして作製されたStarck-Meyerのポテンシャルエネルギー曲面を用いた。その結果H…HD(=1)という共鳴状態を経ると、反応が510%の確率で起こることが予想された。また回転励起に関する共鳴状態を経由した場合、ほとんど前期解離過程H…HD+hH+HDが起こることがわかった。この結果はHポテンシャル曲面においては回転非断熱遷移の確率が大きいことを意味している。
寺岡 有殿; 吉越 章隆; 佐野 睦*
Atomic Collision Research in Japan, No. 26, p.114 - 116, 2000/00
原研軟X線ビームラインBL23SUに設置した表面反応分析装置を用いてSi(001)表面のO分子による酸化の初期過程を研究している。特にO分子の並進運動エネルギーがSi表面の酸化状態に与える影響を調べるために、O分子の場合に3eVまでの運動エネルギーを与えることができる超音速分子線技術を用いて実験を行った。その結果、Si(001)表面に解離吸着するO分子の飽和吸着量が運動エネルギーに依存して増加すること、2つのしきい値が存在することを見いだした。また、表面温度が高い場合にはSiO分子が熱脱離するが、その脱離速度にもO分子の運動エネルギーが効果的であることを見いだした。これらの結果をまとめて年報として報告する。
寺岡 有殿; 吉越 章隆
Proceedings of 25th International Conference on the Physics of Semiconductors, p.321 - 322, 2000/00
シリコンの表面酸化は電子デバイスの製造に重要であるばかりでなく表面反応分析の対象としても興味深い。これまでに第一原理計算によってSi(001)面のO分子による解離吸着過程には0.8eVと2.4eVに2つの運動エネルギー障壁が存在することが予言されている。われわれはOのSi(001)面への化学吸着に対する運動エネルギー効果を実験的に研究するためにSPring-8のBL23SUに表面反応分析装置を建設した。Mg-K線を用いた0-1sの光電子強度が運動エネルギーに依存して増加し、1.0eVと2.6eVに2つのしきい値を見いだした。さらにSi-2pの光電子分光を放射光を用いて行い、サブオキサイドのサテライトピークが運動エネルギーに依存して変化する現象を見いだした。0.6eVではSiが主であるのに対して2.0eVと2.9eVではSiが主となる。これは1.0eV程度のしきい値を越えた解離吸着が最表面二量体のバックボンドで起こるためと解釈された。
鈴木 康文
日本原子力学会誌, 41(4), p.376 - 377, 1999/04
主に窒化物燃料について、その特長と開発目的を概説するとともに、現在の主要な研究課題である窒素解離現象や乾式再処理への適用に対する考え方などを紹介する。
山本 博之; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 37(9A), p.5008 - 5010, 1998/09
被引用回数:1 パーセンタイル:7.29(Physics, Applied)数eVから数十eVの粒子線と固体表面との相互作用は、このエネルギー領域に化学結合エネルギーやスパッタリングしきい値など種々の重要なパラメータを含むために極めて興味深い。本研究では2~200eVのSF,BFなどの分子イオンをCu(III)表面に照射し、散乱したイオンの質量と運動エネルギーを同時に測定することにより、散乱に伴う分子イオンの解離のしきい値及び散乱過程に関する検討を行った。SFを照射した場合、15eV以上の照射エネルギーでSF,Fのフラグメントイオンが観測され、SFの散乱に伴う解離のしきい値が152eVであることを明らかにした。また50eV以上では解離したSFが観測され、照射エネルギーの増加に伴う解離イオン種の変化を明らかにした。BF照射においても同様の傾向が確認された。
勝村 庸介*
PNC TJ1602 98-001, 134 Pages, 1998/03
高レベル廃棄物の地層処分における健全性の確保のためには地下水の化学環境の把握が重要で、化学環境に及ぼす重要な因子として地下水中での放射線誘起反応の検討が必要となる。水溶液中での幾つかの反応系の放射線反応のリストを再整備した。炭酸イオンは地下水共通の溶存イオンであるため、炭酸水溶液の放射線反応の検討が重要となり、その放射線照射により炭酸ラジカル(HCO3・orCO3-・)が生成するが、このpKa値には従来異なった評価がなされていた。レーザーフォトリシス、パルスラジオリシス法により、pKa値を9.50.2と決定し、種々のイオンとの反応を測定した。さらに、ガラス固化体周囲の放射線分布を考慮したときの放射線分解生成物の空間挙動シミュレーションを実施し、ベントナイト中の拡散定数が大きく影響することを明らかにしている。最後に、炭酸水溶液の放射線照射後生成するギ酸、シュウ酸生成量評価実験の初期データも含めた。
兜森 俊樹*; 脇坂 裕一*; 土谷 邦彦; 河村 弘
Journal of Nuclear Materials, 258-263, p.481 - 487, 1998/00
被引用回数:15 パーセンタイル:74.78(Materials Science, Multidisciplinary)CrB型結晶構造を有する金属間化合物ZrNiは、水素と容易に反応しZrBiH及びZrBiHの水素化物を形成する。ZrNi合金は、高容量な水素吸蔵合金として種々の用途への適応が期待されている。特に、トリチウムゲッタ材への適応が考えられているが、より平衡解離圧を低下させることが要求されている。そこで、本研究では、ZrNi合金のZrあるいはNiを種々元素で置換し、平衡解離圧の影響について調べた。ZrあるいはNiの一部を種々元素で置換した結果、Zrの一部を置換した合金では、ZrNiH水素化物の平衡解離圧を上昇させる効果を示し、逆にNiをほかの元素で置換させた合金では平衡解離圧を低下させる効果を示した。種々の元素で置換した合金の平衡解離圧は、CrB構造のセル体積と密接な相関を示し、セル体積の増加とともに平衡解離圧が低下する傾向があることが明らかになった。
山本 博之; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉
JAERI-Conf 97-003, p.340 - 344, 1997/03
本発表では、分子イオンの散乱に伴う解離のしきい値を求めることを目的とし、5200eVのSiF,SiFイオンをCu(100)表面に照射し、散乱イオンの質量を種々の照射エネルギーで測定した結果を報告する。この結果、ある一定以上のエネルギーで照射イオンのフラグメントが散乱イオンとして観測されることから、SiF,SiFの散乱に伴う解離のしきい値はそれぞれ302eV、402eVであることを明らかとした。さらに、本研究において用いた低エネルギーイオン照射装置試作の経緯およびその性能に関する具体的評価も含めた紹介についても併せて行う。
早川 滋雄*; 遠藤 博久*; 荒川 和夫; 森下 憲雄
Int. J. Mass Spectrom. Ion Process, 171(1-3), p.209 - 214, 1997/00
アルカリ金属ターゲットを用いた電荷逆転質量分析法により、CH異性体の中性ラジカルへの解離機構を研究した。電子励起したアレンとプロピンはそれぞれ相当する正イオンからアルカリ金属との中性化により得られる。その励起分子の解離によって生成する中性フラグメントは、再度の電子移動により負イオンとして質量分析される。電荷逆転スペクトルでのピーク強度とピーク中の比較から、電子励起したCHの解離機構を検討した。その結果2つの水素原子の脱離は、2つの独立なC-H結合解離においては結合エネルギーが小さいほど、その結合が解離し易い。C-C結合の解離は水素原子の脱離に比べて実質的にかなり小さい。このことはC-C結合の振動数がC-H結合の振動数に比べて低いためであると推測される。